東京⇔大阪の旅行について考える

旅行資料

世の中GWだ!旅だ!旅がしたい!

しかし、このタイミングでリアルゼア旅行に飛び出すのはHibikiとしてはお勧めしません。繁忙期料金に混雑…ソーシャルディスタンスが必要な今のご時世にGWというのは何一つ良い事が無いのです。そこでこんな時は机上演習。徹底的にシミュレーションする事で来るべきタイミングに備えましょう!(要はただの暇つぶし)

速くて便利でお得で快適で楽しい旅行方法は

「便利で快適な東海道新幹線をご利用ください。」
JR東海の本音が見え隠れするこの旅行系のネットスラング。
一般的にはもっともシェアが高いとされる東海道新幹線での東京⇔新大阪の移動は本当に最強の移動手段なのだろうか。他にどんな移動手段があり、どのような特徴を有しているのかまとめてみました!

前提条件

手配日:2022年5月1日(日)
出発日:2022年5月30日(月):できるだけ朝早い便(始発または条件に準じた最も早い便)
30日前に旅行準備をする前提で通常期の平日に利用可能であれば「早割系」のプランを使用します。
繁忙期・閑散期・曜日・購入タイミングなどで条件が大きく変わる点は特にご注意ください!

ここで記載されている価格・所要時間は執筆時点でのHibiki調べ。あくまで参考程度に留めて下さい。正確な情報は各公式サイト等をご確認ください。

移動手段比較

東海道新幹線(東京ー新大阪)

 

料金

  • EX予約指定席:13,620円
  • EXグリーン早特:14,670円
  • ぷらっとこだま指定席:10,800円
  • ぷらっとこだまグリーン:12,300円

所要時間

  • のぞみ1号 6:00→8:22(2時間22分)
  • こだま707号 7:57→11:51(3時間54分)

「便利で快適な東海道新幹線をご利用ください」はある意味本当です。ただしコストはさすがに高い…。とはいえ予約時期や乗車する列車による価格変動が無くEX会員であればアプリ一発で手配が取れる便利さ、目的地へのアクセスの容易さ、車内の快適さはそう簡単には他の追随を許しません。
「ぷらっとこだま」は、新幹線各駅停車のこだま号限定の前売り旅行商品の価格。乗車できる便や払い戻しなどに制限があるので注意して使ってください。
これを目安に他の交通機関を見てみましょう。

飛行機

羽田ー伊丹

料金

  • JAL先得割引普通席:8,110円
  • JAL特便割引1classJ:14,010円
  • ANAスーパーバリュー:8,110円

所要時間

  • JAL101便 6:30→7:35(1時間5分)
  • ANA985便 6:25→7:30(1時間5分)

圧倒的に速い!そして(便を選べば)新幹線よりは安価。ただし、この出発時間はドアを閉め飛行機が動き出す時間。実際はこれより30分は前に空港でチェックインしないといけない点は注意、この時間なら余裕をもって6時前には空港に到着したいです。ただ、羽田も伊丹も各都市中心部からのアクセスは比較的容易です。
金額は購入日・日程・便によってかなり変動が大きい印象。空港に6時に到着できない立地条件にお住まいの場合はより高額になる事も考えられます。今回の条件での金額は28日以上前にチケット手配をした場合。この割引を使わない場合、同便で概ね12,000円前後、通常運賃は28,460円とかなり高額になるので、便と旅行日程は早めに決めた方が良さそう。
旅行手段として、空を飛ぶこと自体が非日常感あるので高い所が苦手でなければ窓側が楽しめるかもしれません。空港も飲食店などの設備が充実していて楽しめます。なお天気の悪い日は(お察しください)
そして飛行機利用にはもうひとつ選択肢があります。

LCC:成田ー関空

料金

  • ジェットスター(Starter):3,980円
  • ピーチ(シンプルピーチ):3,590円

所要時間

  • GK201便 8:40→10:10(1時間30分)
  • MM312便 7:00→8:35(1時間35分)

成田へアクセスし易く、目的地が関西空港周辺なら有りかもしれません。京都・大阪・神戸は遠い(ほとんど和歌山という意見も)。そして、こちらも日程や便によって価格変動が大きく、LCCゆえに手荷物や座席指定をはじめ、果ては決済手数料にまでオプション料金が上乗せされていく点も注意が必要。(提示された運賃のみで搭乗する事はほぼ不可能)金額は参考程度に留めておいた方が良さそう。距離単価が圧倒的に低コストなのは間違いありませんが、有効活用できるシチュエーションは結構限られる印象です。
ちなみに東京駅(TCAT)から成田空港(第3ターミナル)までのリムジンバスは2,800円(早割21で1,700円)、5:30発→6:32着という便で所要時間は1時間程です。

東海道本線(東京ー大阪)

料金

  • 普通運賃:8,910円

所要時間

  • 東京5:20→三島7:21
  • 三島7:29→静岡8:29
  • 静岡8:31→浜松9:41
  • 浜松9:43→大垣11:47
  • 大垣12:12→米原12:46
  • 米原12:50→大阪14:13(乗り継ぎ例:8時間53分)

コスト・特に所要時間が、普通に考えれば全くお話になりません。前提条件である5月30日は青春18きっぷの期間外の為、在来線の移動は余程の理由がなければ選択肢には入らないでしょう。ただし、この条件のJR普通乗車券は途中下車ができます。静岡や名古屋に寄り道も出来るし、有効期間も4日あるのでなんなら宿泊してもOK。8,910円を4日で割れば1日当たり2,227円程で青春18きっぷに勝るとも劣らないコスパ。道中を4日掛けてじっくり楽しむつもりならアリかもしれません。

なお、青春18きっぷは12,050円で5日(5回)有効な為、1日当たり2,410円。例年の利用期間は下記の通りです。

  • 【春】発売期間:2月20日~3月31日 利用期間:3月1日~4月10日
  • 【夏】発売期間:7月1日~8月31日 利用期間:7月20日~9月10日
  • 【冬】発売期間:12月1日~12月31日 利用期間:12月10日~1月10日

今回は旅行日が5月30日という前提の為残念な結果ですが、独特の楽しさはあるので利用期間内なら怖いもの見たさで良いのでやってみて欲しい移動手段です。(私はやった)

高速バス

料金

  • 西日本JRバス グラン昼特急1号:4,800円~

所要時間

  • 東京八重洲南口7:10→大阪駅JR高速BT15:33(8時間23分)

もう少し安いバス会社もあるようですが、参考までに大手のJRバスで調べてみました。
青春18きっぷシーズン以外に在来線を使うくらいなら…という感じではありますが、到着時刻が15時過ぎというのはどう時間を使えば良いのか迷う所。そこで夜行バスという選択になってくるのですが、夜行も大体同じような価格からです。
3列シートになると価格が上がり、個室ともなると2万円に迫ってきます。夜行バスは夜間に移動して朝6時台から行動を開始できるのは強みで、LCCとは違い大阪駅前に到着するのでアクセスも良いです。ただし寝付けるかどうか=快適かどうかという問題がありコスパを測り難いところ。お金を掛ければ当然快適ですが、本末転倒というかなんというか……

【大阪→東京限定】寝台特急サンライズ出雲・瀬戸

  

料金

  • ノビノビ座席:12,400円
  • シングル:19,570円

所要時間

大阪0:33→東京7:08(6時間35分)

番外編としてまずご紹介するのがこちら。東京始発は大阪に停車しないため、東京行き限定の手段になります。コストは掛かりますが、かなり快適に移動する事ができます。個室を取ると2万に迫って来てしまうものの雑魚寝スタイルのノビノビ座席であれば現実的なお値段で夜間に移動が可能です。しかも330円でシャワー付き(人数限定/タオル無しの為事前の用意を)。新幹線の最終より出発時刻が遅く、新幹線の始発より早く東京に着きますので、ゆっくりできるというメリットもある…かもしれません。最近は人気で切符が取りづらい傾向があるとか無いとか。

自家用車

料金

  • 高速道路 普通車 首都高銀座→名神吹田:8,200円(ETC深夜割)/12,790円(通常)
  • ガソリン代:(約500km)×(燃費約10km/l)×1リットル約180円=約9,000円

合計(概算):17,200円(深夜)/21,790円(通常)

所要時間

  • 最低6時間以上、8時間目安(渋滞・休憩により大きく変動)

これも番外編。高コスト、所要時間、運転疲労、渋滞、あおり運転するモンスターに遭遇するリスク、事故のリスク、追い剥ぎに遭うリスク…デメリットがめちゃくちゃ目立ちます。
到着後、観光する際にも移動のたびに駐車場の確保が必要になり不慣れな他県の道を運転するのはやはりリスクです。メリットがあるとすれば複数名乗車で人数に比例してコストが半減していく、道中のSA/PAグルメを楽しめる、鉄道の無い(本数が少ない)エリアも観光しやすい、旅行時間帯を自由に調整できるといった所でしょうか。コストだけなら同行者が居ないと全く割に合わず、運転する事自体が主目的でない限りは厳しいと言わざるを得ません。

なおETC深夜割は0時~4時に高速道路内に居て、ETCで決済する事が条件です。
安さと引き換えに…というわけでもないのでしょうが、深夜時間帯はSA/PAのフードコートも閉まっている場合が多いです。そして深夜の長距離運転は疲労や眠気もありますので、安全運転の為に必ず途中で休憩・仮眠しましょう。

ツアー商品

最後の番外編。
「新幹線+ホテル」のような、添乗員なしのツアー商品がJR系の旅行会社から販売されています。
調べてみると今回の条件では3万円前後で往復新幹線+シングルルーム1泊が付いてきます。
乗車できる新幹線が限定、宿が限定など縛りはありますがこちらもまたかなりのコスパを誇ります。「ぷらっとこだま」の料金でのぞみにも乗れて、1万円弱のホテルが付いてくるという感覚でしょうか。

デメリットとしては事前に乗車する新幹線を決めてしまうため、旅程の変更が厳しくなるところ。宿も見た感じ、一般的なビジネスホテルですので旅ならではの特別感は無さそうです。
もう旅程が固まってる上、宿にもこだわらないのなら、検討する余地はあるかもしれません。

まとめ

思いつく限りをまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。皆さんにとって最適な移動手段はどれになりそうでしょうか。いつも使ってる交通手段からたまには違う方法で旅をしてみるのも面白いかもしれません。段取り八分と言いますが、旅行はこうやって机上演習する時間もまた楽しい物なのです。